講師:蒔苗昌彦
■問題構成要素ごとに対策を検討しよう!
問題を細かい要素へと分解した後は、優先順位の高い順に、それぞれの要素ごとに対策を検討し、有効性の検証を行い、会社の正規の承認手順を踏んで実行に至ります。
そこで、くれぐれもご注意頂きたいことがあります。
それは、問題を細かく分解した後の問題構成要素は、それぞれ単体では些細な問題に見える場合が多く、そうした場合、一つずつ対策を検討するのを止めて、元の問題(分解する前のいわば出発点の問題)を「一発で解決する妙案を打とう!」と言う意見が出てくる可能性があることです。つまり、せっかく時間を掛けて分解してきた過程を無駄にしてしまう意見が出てくる可能性があるのです。
もちろん、大きな問題を分解せずに一発で即時解決できる対策があるならば素晴らしいです。しかし、少なくとも私(蒔苗)はそうした対策を思いつきませんし、だからこそ、問題を徹底的に分解し、優先順位をつけて、小単位の問題ごとに対策を打つことを大前提とした当研修を提供しています。細々とした取り組みに思う人もいるかもしれませんが、少なくとも直接部門の最前線現場実務において問題を解決するには、この方法が良い、と私は考えております。
しかし、もし私のこの方式のアプローチが貴社の現状には不適切であると貴社がお考えの場合には、会社の体質を根本から変えて全社的イノベーションを図るアプローチが得意なコンサルタントへ相談してみて下さい。
ともかく、当研修は、直接部門の現場実務の特定の一つの問題を題材として、問題解決行動の促進を図ることに徹底します。全社的イノベーションを図るものではありません。
<ポイント>
・分解されたそれぞれの要素ごとに対策を検討する。
・分解された要素それ自体は、些細な問題に見える場合がある。
・だからと言って、分解する前の大きな問題を一発で解決する対策案を出そう!とはしないこと。