問題解決アプローチ024

講師:蒔苗昌彦

正反対の見方もしてみよう!

人間は、いったん或る考えを確立してしまうと、それに固執する傾向があります。もちろん、その人が生きていく上での個人的な信念であったり方針であったりする場合は、固執しても構わないし、当然でもあるでしょう。また、その固執している事柄が、問題解決の大前提となる安全衛生や法律・条例を確保するために必要であるならば、石にしがみついてでも守らなければなりません。

しかし、チームワークにて問題解決を図る途上においては、一つの考えに固執することなく、なるべく柔軟な思考をすることが求められます。そうしないと見落としてしまう点が出ます。また、暫定的判断にて進行のスピードアップを図ろうとする際の妨げになります。そして、新しい着想を阻害します。では、自分が何かに固執している状態から抜け出すにはどうしたらよいのでしょうか? 正反対の見方をしてみることを、私はお勧めします。

これは、「正反対の見方へと自分の考えを変更しなさい」と勧めているわけではありません。あくまで固執状態から抜け出すための一つの手段として勧めているだけです。なぜ、「少し違う見方をしてみよう」とは言わずに、「正反対の見方をしてみよう」と言うのでしょうか。それによりいったん、自分の考えを自ら丸ごと否定してみる形になるからです。固執状態では、少しぐらい違う見方をしてみても、すぐ固執状態に戻ってしまいます。繰り返しますが、これは、「正反対の見方へと自分の考えを変更しなさい」と勧めているわけではありません。あくまで固執状態から抜け出すための、いわば刺激的な手段として、また自己否定の模擬体験として、お勧めしている次第です。


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