問題解決アプローチ025

講師:蒔苗昌彦

あり得そうもない仮説も比較対象としてみよう!

或る判断についての妥当性の検証は、それ単体にて行うよりも、同テーマにおける別の判断、類似した判断、全く異なる判断等と比較してみた上で行うほうが、精度が増します。つまり、比較検討するほうがよいのです。なぜならば、或る判断の長所/短所を含めた特性は、比較したほうがより一層浮き彫りになるからです。私からこう言われるまでもなく、皆さんも、「比較検討」という手段は日頃から用いていることと思います。

しかし、比較したくても比較材料がない時もあるでしょう。その時には、たとえあり得えそうに思えなくても構わないので、同テーマにおける別の仮説、全く異なる仮説を立てて、それとの比較を行うことで、本来単体でしか検証しようがない判断の特性を浮上させる、という方法をお勧めします。

ともかく、それ単体でしか検証しようがない判断が非常に良い(または悪い)判断であっても、別の判断と比較しなかったがために、それが非常に良いこと(または非常に悪いこと)であることに気づかない、という不幸は避けるべきです。特に、或る対策を立案しその妥当性を検証する際には、全く不可能と思われる対策をいわばダミーとして立案し、それと比較してみることは有益です。

なお、仮説ではなく、過去に実際にあった事を、比較対象として活用する手もあります。


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