パート2・セクション9「参考手順書の作成」

職務分掌マニュアルのあり方・作り方・使い方
9‐1「基本的な考え方」

参考手順書は、委任作業と判定した作業について、参考となる手順を例示したほうがいいと判断した場合に限り、作成する。※1
作成した参考手順書は、冊子化の際には、パート3「作業手順書」へ入れる。

前述の「規定手順書」は、プロジェクト期間内に必ず作成する。しかし、参考手順書は、その義務はない。したがって、参考手順書の作成は、規定手順書の作成が全て終了した後、プロジェクト期間に余裕があった場合に行う。
または、いったんプロジェクトが終了し職務分掌マニュアルを正式発行した後に、順次作成し追加していく。参考手順書作成の優先順は、どのステップよりも低いのである。


9‐2「作成の方法」

参考手順書の文章形式は、規定手順書と同じ箇条書きのチェックリスト方式とする。したがって、参考手順書の、文章形式上の作成方法は、規定手順書と同じとする。

参考手順書には、そのページの冒頭に、必ず、それが参考であって、規定ではないことを明記する。ページの右方に「参考」と目立つように記すと共に、本文冒頭に、「下記は、あくまで参考情報であり、規定ではない。実際の作業方法については、作業をする者に委任する。」等の一文を入れておく。


9‐3「手順以外の参考情報の扱い」

セクション8で述べたように、規定に関わる情報については、手順以外の情報であっても、文章形態の情報であれば、規定手順書としてパート3「作業手順書」の中に入れる。
しかし、参考手順書のページでは、手順以外の情報は、それが文章形態であっても、一切、資料パートにて扱う。なぜならば、手順以外の参考情報までも作業手順書のパートへ入れては、当該パートが膨れ上がってしまうからだ。


9‐4「プロジェクトの進捗に応じた調整」

参考手順書の作成段階においては、参考手順書としては作成してみたものの、やはり規定手順書へと扱いを変更すべき、と判断するケースがあり得る。その場合は、作業項目一覧表に記載される委任設定の記号を、「a(規定作業)」へ変更することを忘れないように。


※1:
いくら参考までに示すとはいえ、示された以上はその印象が残る。そして、その印象に引き連られて、実際の判断を誤ってしまうことも起き得る。だから、くれぐれも慎重に。適切な手順情報がない場合には、参考手順書は一切作成しないこと。


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